連日、天気予報の最高気温は35℃が続いて暑い。
しかし土曜日だけに、地下街には川のように人が流れている。
コロナの頃があまりにも閑散としていただけに、今の人の多さは尋常ではないような気がする。もしかしたら以前より多くなったのでは?と思ったりもしている。
この暑いときに街角に出るのは勇気がいるが、幸いにも地下街がある。
日差しを逃れて、多少は涼しい地下街に潜り込む。
さんちかの雰囲気は昔からあまり変わらないが、現在リニューアルが始まっており、2024年・25年に新しくなるそうだ。
そうなのかと思っているうちに突然、しろくまが現れた。
神戸三宮駅から市役所に至る地下街の、南半分ぐらいは「地下道」であり、お店がなく退屈な道だ。
所々に創作物の展示などはあるが、あまり明るい感じの道ではない。
早く外に出たいと思わせる道だ。
それが狙いなのでしょうか。
やっと外に出たと思ったら、強い日差しが照りつける。
人間の水分はすぐに蒸発してしまわないからよいものの、やわな動物ならばこの時点で終わりになりそう。
自分もやわな動物だから終わりそう。
旧居留地はもう何十年も継続的に、外観だけは見ている。
長い沈黙期間の間に、海外アパレル路面店は減った。それが少し残念。
サイバー空間に人が集まり、リアル空間に集まりにくくなっている。
気取ったお店も流行りにくい時代だ。
限られた人だけに訪れる目的があるような町に変わってきたように感じる。
神戸といえばファッションだと言われているが、個人的にはあまりそのような感じはしていない。
確かに神戸からは有名なファッションデザイナーが出ているが。
この地のローカルファッションは、オーソドックスで冒険しないような、いわゆるコンサバのイメージなのだが。
もっと派手にやってもよいのではないか、楽しいのではないかと思うこともある。
旧居留地の大通りを歩くとき、明治の時代にはどんな風景だったのだろうと思いを馳せたりする。
市立博物館には、かつての洋館が立ち並んだ時代のパノラマ模型が展示されているが、それを見たから余計にイメージが湧くようになったのだろう。
壮観な眺めだったに違いない。
2、30年ぐらい前にもこの前で写真を撮ったことがある。
スクエアなビルのなかにスクエアなビルが映り込む様子。モザイクのように嵌められた表情を見れば、必ずカメラを向けてしまう。
以前よりはゴージャスさを感じなくなった最近のショーウィンドウたちだが、街ゆく人の方が自由な身なりをしているような気もして面白い。
今の若者のファッションは本当に自由だと思う。カタチというものに全くこだわりがないように見える。
僕らが若者の頃は、何か特定のイメージや価値観に染まっていくのを喜んでいたようなところがあったと思う。このスタイルをしていればカッコいい、認めてくれる、というような感覚だった。
皆が新しい群衆を形成することをトレンドだと呼んでいた気がしないでもない。そしてそのトレンドが何年も続いた。